哲学カフェとプログラミング

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はじめに

自分は本業でエンジニアをしながら、趣味で哲学カフェ会を開催しているので、哲学カフェとプログラミングにはどんな関係があるかを考察してみたいと思います。

こうした考察をして思ったことは、哲学カフェとプログラミングにはとても親和性があるということです。

哲学カフェで養った主体性や価値観をプログラミングに活かすこともできますし、その逆も然りだと思います。

またプログラマーはどうしてもコミュニケーションが不足したり、孤独になりがちなので、哲学カフェで定期的に雑談などをするのは、お互いを補うことができていいことだと思います。

主体性

哲学カフェなかで行われる哲学対話では主体性が養われます。そしてプログラミングでは主体性が重要だと言われ、嫌々プログラミングをやらされている人は一向に技術が身につきませんが、主体的に取り組めば、新しい技術をどんどん取り入れることができます。

とくに最近のIT業界では主体性が重要だと言われ、今まではITスキルさえあればプログラマーとして仕事につくことができたが、最近はコミュ力やチームでの協調性がないと採用されないという話を転職業界の知り合いから聞いたことがあります。

年功序列の崩壊

日本で哲学対話が比較的広く普及したきっかけには、学校でアクティブ・ラーニングという制度が導入され、それに対応するために学校で哲学対話が行われるようになったことがあると言われています。

アクティブ・ラーニングは主体的に考えられる生徒を育てる意図をもって行われるものだと思いますが、その背景には、昔のような年功序列・終身雇用の制度が崩壊し、ただ会社の方針、上司の言うことに従う人ではなくて、自分で主体的に考えて人生を切り開ける人が求めらるようになったことがあると考えます。

IT業界は比較的年功序列ではなくて、ITスキルを磨き、そのスキルによって仕事を選ぶスタイルが普及しています。
もちろんそのスタイルの利点と欠点はあるのですが、そのなかでコミュ力や主体性が求められるので、哲学カフェで身につく能力ととても親和性が高いと思います。

こうみると哲学対話とプログラミングのどちらも、年功序列の制度が崩壊した現在の日本の背景に、対応する取り組みであるとも言えるかもしれません。

他人から学ぶ

哲学対話もプログラミングもどちらも他人から学ぶことが求められます。

哲学対話では、まず哲学として、過去の哲学の歴史や哲学者から学び、その歴史をふまえて話すことで車輪の再発明を防ぐことができます。もちろんあまり専門的に難解な話はしづらい流れが多いと思いますが、自分の知識としては知っておいたほうがいいし、その知識をかみ砕いてわかりやすく伝えることができれば、哲学カフェの本領発揮という感じがしないでもないです。

また他の参加者の考えを学び、自分の考えに刺激を与えることも重要だと考えます。もし自分の考えに固執して、一方的に他人に話す流れになってしまうと、哲学カフェとしてはつまらないかな… と思います。

プログラミングでも、過去の技術や考え方から学ぶ必要があります。またITスキルは、技術の移り変わりがとても速いため、新しい技術をどんどん学んでいかなければなりません。
そうなると自分のスキルに固執するのではなくて、柔軟に頭を使い、他人の意見を取り入れる必要があるのです。

哲学カフェとプログラミングのどちらも、過去の知の遺産から学ぶ必要があり、また同時代の考えを学ぶ必要もあるので、頭の使い方としてとても似ているなと感じます。

スキルを身に着ける

IT業界は、一つの会社に長年在籍して出世の階段を登ることもできますが、どちらかといえば自分のITスキルを磨くことで、より高度で複雑な仕事をもらうことができるという世界線になります。

そのためにはITスキルの勉強も必要ですし、実際に仕事でITスキルを身につけることで経歴としてITスキルを証明しないといけません。

逆にそうしたITスキルを身につけてしまえば、どの会社からも魅力的に映り、自分で仕事を探し、給料や働き方の交渉をして、ある程度自由に働くことができます。

哲学カフェではスキルを身につける必要はありませんが、哲学の知識であったり、また哲学カフェ自体の知識を身につけることで、いろいろな哲学カフェにスムーズに参加することができるでしょう。
ファシリテーション(会議進行)の技術を身につければ自分で会を開くこともできます!ボクでも最低限できているので、おそらく誰でもできると思います。

自由を求めて

自分はいつも自由に憧れている気がします。尊敬する梅棹忠夫という人は、世界中を旅して、世界中の本を読んだ自身の人生をまとめて、「デジデリアム・インコグニチ、未知なるものへの憧れ、ただそれだけやった。」と言い放ちました。

未知なるものを求め、好奇心をもち続けるには、自由な精神、自由な生活が不可欠だと思います。プログラミングなどのITの仕事は、場所、時間、考え方などすべて融通が利く面が多く、もう少し評価されて融通が利くようになれば、世界中を旅しながらプログラミングの仕事をするのも憧れです。
また哲学カフェで行われる哲学対話では、普段周りに配慮して言いづらいことを自由に話せるようにしたいと考えています。それによって、自由に話し、また自由に話している他人の話を聞くことで、より自由な精神を確立する手助けになればとも思っています。

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